明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
今年の誕生日が来ると、満55歳になります。四捨五入すると60歳となります。すごいことになりました。わずか30年前は、設計の仕事を始めたばかりの右も左も分からない若者で、こんな日が来るとは思ってもいませんでした。
私が建物の設計の仕事でコンピューターを使うようになって20年と少しです。ということは、その前の10年近くは製図台に向かって、手で図面を描いていたということです。比較的大きな建物を設計するときにはA1版、そうでない時にはA2版のトレーシングペーパーに、鉛筆の粉で手やワイシャツの袖を黒くしながら描いていました。
今、私はノートパソコンに19インチの外付モニターを2台つなげて、合計3つのスクリーンに向かって仕事をしています。3つもモニターがあると、必要な情報を常に見ながら仕事ができるので、なかなか快適です。パソコンのモニターは、広大なスペースを縮小することも、ミクロの世界を拡大して見せることも可能です。
しかし、快適な反面これでいいのか?と自分に問いかけてしまうこともあります。19インチのモニターに映しだされたものだけが自分の世界ではないはずです。A1版のトレーシングペーパーに入りきらずに枠からはみ出して描いていた、そういう時代を忘れていないか?、自分で描いた線を(たとえ1本でも)消しゴムで消す時の喪失感を忘れていないか?、改めて自分に問いかけています。
私よりも10歳以上年下の人たちは、初めからコンピューターを使った設計・作図という環境ができていたと思われます。そのような世代の方たちにも、コンピューターのスクリーン以外にも世界は広がっているんだよ、とお話ししていきたいと思います。(余計なお世話という声が聞こえそうですが)
自分自身に関しては、昨年達成できなかった「ぶれない信念」を持って、お客さまに満足していただける建築サービスをお届けすることを目標とさせていただきます。
株式会社エイプラス・デザイン
専務取締役 池田 洋
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