こんにちは。小堤です。
今回は木造の7回目です。前回から在来軸組み工法の工程で屋根を支える骨組みの「小屋組」の説明をさせていただいております。前回は「垂木構造」についてご説明させていただきましたが、今回は一般的に採用される「小屋組」についてご説明いたします。
小屋組
小屋組とは屋根を支える骨組みとなります。垂木,棟木,母屋,小屋束で構成されます。
下の図は「和小屋組」という小屋組です。①の屋根の荷重を、②の小屋束を通じて③の小屋梁に伝えます。小屋梁には垂直に荷重がかかることになり、たわみが生じます。曲げ耐力の大きい松類の樹種が採用されることが多いです。小屋梁が受ける荷重は、④の柱に通じられ、基礎まで伝っていきます。
小屋組の種類
小屋組みにも大きく分けて2種類あり、「和小屋組(左図)」と「洋小屋組(右図)」です。
和小屋組 |
洋小屋組 |
和小屋組は、日本古来の小屋組みで、先ほどもご説明いたしました小屋梁によって屋根の荷重を下層に伝えていくのが特徴です。間仕切りが多く、梁を渡す距離が短い住宅に向いています。
一方で、洋小屋組は、三角形状の骨組みを組み立て、力を分散させるトラス形式の構造となっています。外力に対して各部材が一体になって働く構造となり、梁を渡す距離が大きい部屋を作る際に採用されます。
私達が住宅の設計をする際には、お客様の要望を叶えるために適切な構造を採用し、設計を進めています。自由な間取りと、それを実現させる構造を選択できるのは設計事務所に依頼していただけるメリットだと思います。今後とも木造についてご紹介をしていきたいと思います。
出典:理工学社「建築構法(第3版)」
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