こんにちは。小堤です。
今回は木造も、とうとう10回目です。在来軸組み工法の構造を掘り下げさせていただいています。屋根を支える小屋組み⇒屋根・小屋の荷重を支える柱と壁⇒屋根と壁や家具・人を支える床と、荷重がかかる順番にご説明してきましたが、最後に建物の全てを支える基礎のご紹介です。
基礎
基礎とは上部の構造物からの力を地盤に伝えて、建物全体を安全に支えるものです。地盤とは安定している地面のことで、この地盤を確保できない場合は杭を打つなどの地盤改良を行いますが、詳しくはまた別の機会にご紹介いたします。
基礎には大きく2つの役割があります。
①地盤に対して均等に力を伝えて不同沈下を防ぐ
木造建築の軸組は不均一で、大きな荷重を受けている柱と、それほど大きな力がかかっていない柱が存在します。力が不均一な状態で地面に力を伝えてしまうと、大きな力がかかる柱は沈み、そうでもない柱は沈下しません。このような状態を不同沈下といい、建物が傾く恐れがあります。建物の力を均等に整えて地盤に伝えるのが基礎の役割の一つです。
②地面と木材の縁を切る
木材を劣化させる原因となる地面からの湿気や雨水、害虫の侵入を防ぐため木材と地盤を接触させないようにするのも基礎の役割です。吉野ヶ里遺跡などの高床式倉庫は、食料を地面に置かず、湿気対策やネズミの害を防ぐため掘立柱を立てて、その上に床を張っていますが、考え方としては同様です。
現代ではコンクリートで基礎の立ち上がりを設けることで、土台の木の構造材を土と絶縁し、腐るのを防いでいます。
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